アルミにねじを切って鉄のボルトを締めるという場所は結構多いものです。
オイル交換で外すドレンボルトなんかが代表ですかね?
硬さでいうとアルミ<鉄ですよね。
で、無理な力をかけるとボルトが折れる前にアルミに切ってあるねじ山が先にダメになって、エンドレスでくるくる回って締まらない状態になってしまいます。
そこでヘリサート加工をして修理することになります。
今までのねじ山より一回り大きいねじ穴を切って、スプリングを縮めたようなコイルをいれてそれを新しいねじ山として使う形です。
普通に使っていればそうそう壊れない部分ですが、エンジン周りなど熱がかかる部分はダメになることもあったりします。
特に、ザッパーから続くゼファー750系のシリンダーヘッドとシリンダーをとめるボルト2本(カムチェーントンネルの前後)はよくダメになります。。。
腰上バラして組む時にくにゃっとおわってしまうことが多いので、転ばぬ先の杖状態で先にヘリサートしておきます。
組む時にはトルクがかかっても、ちょっと時間が経つとボルトが締まっている力に負けてダメになってトルクが抜けることもあるので、大丈夫かな~?なんて思いながら組むよりは、キレイにヘリサートしてしまった方が精神衛生上もよろしいということになりますね。(笑)
コレですね。まん中のカムチェーントンネルの前後にあるのがそうです。
で、後ろ側はカムチェーンテンショナーのボルト穴と貫通してるので、入り乱れております。
狭いところに穴だらけなので、強度的な心配もあるので、作業は慎重にしないと万が一の時にはシリンダーを壊すというった事態になったりするので注意っ!
一回ヘリサートをしておけば強度は今まで以上に上がるのでもうダメになる心配はないので、何か作業をしていてねじ山をダメにしてしまった時なんかも直すことができますよ♪
場所によっては部品を新品に交換した方が早くて安上がりなんてこともありますが、困った時にはお気軽にご相談ください♪
完成の図です。きれいまっさらの状態はこの時だけなので、ヘッドを載せて見えなくなってしまうのはちょっと惜しいですね。(笑)
クランキングしてスムーズに回るかをチェック。ピストンリングが新品なので、しゃーしゃー言う音が大きいです。この音を聞くと、慣らしをちゃんとやって当たりをキレイにつけるのは大事なんだなって思います。
ヘッドガスケットを新品にしてシリンダーヘッドを載せます。
だいぶオートバイらしい形になってきました♪
キャブホルダー(インテークマニホールド)もここでつけるのですが、ここから二次空気を吸い込むと折角キャブで調合された混合気にさらに空気が混じるので混合比が狂ってしまうので、そうならないように劣化の具合と組み方には気をつけます。
また、吸気ポートもきれいにならしたので、マニホールドの取り付け穴を加工してマニホールドの内壁とポートの内壁に段差がつかないようにして組みます。
そのまんま組むと結構段差がつくものなのです。
そしてカムシャフトをつけるのですが、ロッカーアームも純正流用してみました。
手前がZRXの使用済みで奥のが新品です。カムの当たり面の造りが変わっています。
ZRXのは一体物ですが、奥のはチップを本体に貼りつけている形になっていて、耐久性が高められています。
GPZ900RもA14から変更になっていますが、ZRXの場合には流用する形になります。
これでカムかじりとはオサラバ??
かじったカムはこんなんです。↓
カム山の一番高い所付近に削れた痕がありますが、それです。
一旦こうなると、あとはどんどんひどくなり激しい異音として聞こえてきます。ロッカーアームもカムシャフトも当然、新品に交換です。
新品で気持ちいいけど部品代がいくら?とめまいがしてしまいます。。。
バルブシートカットしているので、バルブクリアランスは全部最初に計測したよりも狭くなっています。
もちろん、クリアランスも調整しなおしです。
ここまで完了してヘッドカバーを閉めると、完成まであと一息っ!というところまで来ますが今日はここまでにしとうございまする。
~続く~
排気ポートのマフラー側からの図です。キレイになったでしょ??
吸気ポートのキャブ側から。混合気がスムーズに入るように念じながら…(笑)
これはベアリングの相方のレースという部品で、○×を判断するのはベアリングではなくレースですることになっています。左がフレームの首の下ので右が上のモノです。
下に入ってる方酷使されるので通常は下のレースの方が痛むことが多いです。
これも例にもれず、左のレースに縦に痕がついているのがお分かりでしょうか?
爪をたてると引っ掛かりを感じる位の当たりがついるのですが、これでもうダメです。
これ位当たりがついてると、フロントを浮かせてハンドルをゆっくり左右に切って感触を確かめるとゴリゴリとイヤな感触がします。
オートバイはまっすぐ走ってる時も、乗り手に感じさせない位ですが小刻みに左右にハンドルが切れながら走ってます。もしステムの締付をがっちり固く締めるととても直進もできたものではありません。
車体全体がユラユラ揺れながら走ることになり、とってもコワいです。
曲がる時にも、オートバイが軽く倒れこむ瞬間からスムーズにハンドルが切れるようになってますが、ベアリングがごりごりしてると…
曲がろうと軽く倒し始める→ハンドルが同時に切れ始めないので曲がり始める感触がない→あれ?と思いもっと倒す→すると一気にハンドルが切れてビックリ!
という感じになり気持ちよく乗れないどころか、怖い思いさえしてしまします。
渋滞や一本橋走行みたいな極低速で走る場面で、妙にふらふらして『ヘタになったかな?』という錯覚におちいることもあります。
持ち主は日々少しずつ状態が悪くなっていくのでなかなか気が付きにくいですが、2万km~3万km位で交換時期がやってくることが多いです。
工場から出荷されるときも十分にグリスが入ってないこともあるので、1万km位でグリスアップをしてあげると持ち具合も良くなります♪
ちなみに新品はこんな感じです。
当たりもなくきれいさっぱり滑らかです♪
ベアリング本体は…
テーパーローラーベアリングというタイプのもので、コストはかかりますが長持ちするタイプのモノです。
残ってるグリスも少なく劣化していて、ローラー部分も錆色が浮いてます。
オツカレサマデシタ。
新品によく見る黄色い普通のグリスではなく高級グリスをぎゅーっと詰め込んで組み上げます。
ちなみに『コーティング』の記事に書いてあったWPCとモリブデンショットの加工を施してあります。
乗ってみて感じがどう違うか?耐久性はどれ位上がるか?など早く試してみたいです。
この加工を施したベアリングをストックしてありますので、ステムベアリング交換をお考えの方は使ってみませんか?お気軽にお問い合わせください。
↑でも書いた通り、ステムベアリングの劣化にはなかなか気がつきにくいので、グリスアップや交換をしてあげると、スムーズさ加減が激変しますよ。自分が上手くなったかと錯覚する位だったりします。(笑)
はぃ、オーリンズです。
リヤショックはよく見かけるようになってきましたが、フロントフォークはなかなかお目にかかれないですね。
ゴールドもかっこいいけど、黒はしびれます。
黒いインナーチューブを見てると吸い込まれそうになります。(笑)
アルマイトのかかったアウターチューブもステキです。
現物は写真の100倍(?)かっこいいですよ♪
光り具合や質感や存在感は現物見るとたまらんです。
見た目も大満足ですが、やっぱり使ってナンボ。
手間暇かかっているだけあって、動きの上質さもまたやめられません。
この手のリプレイスパーツは攻めたりスピード出した時にしか良さがわからないのでは?と思われがちですが、そんなことはないです。
普通に街中乗ってるだけで動きの上質さが伝わってくるのでメットの中でニヤニヤしちゃいます。(爆)
動きの全てがしなやかな感じと大ざっぱに言えるのではないでしょうか?
サスに対する見方が変わる位の衝撃を受けますよ、きっと。
また、せっかくのいいものなのでちゃんとセッティングしましょうね。
セッティングと言ってもそんな大袈裟なことではなく、ちゃんと乗り手の体重に合わせてサグ出しするとことから。そうです、基本のキからです。
意外とココをちゃんとしてない車両があったりします。
そこを踏まえて、こうしたいとかああしたいとかって要望を聞きつつ調整しますので。
専門用語は二の次三の次で感じたままを話してもらえればOKです。
とかくセッティングというと専門用語バリバリで傍からは何語でしゃべってるの?って難しいイメージですが、そんなことはないです。
○○を○km位で走ってる時にふわふわして不安な感じになるから何とかして的な感じでOKです♪
どう触っていいのか分からないという疑問を解くきかっけになれればいいなと思っていますので、気になる方はお気軽にご相談ください♪
運動エネルギーを熱エネルギーに変換しているブレーキキャリパー。(意味不明)
ブレーキダストや数100℃の熱にさらされながらいつも頑張ってくれています。
ブレーキキャリパーとピストンの間には、普段は見えないですがダストシールとオイルシールが入っています。
ブレーキをかけてピストンが出ると、ダストシールが変形します。
ブレーキを離すと、ピストンに変形したダストシールが戻ろうとする力が働きピストンが戻ってブレーキが解除される仕組みになっています。
でも、長年にわたり熱にさらされてシールが硬化したり、ブレーキ液のなれの果ての粉が詰まることによって、シールの柔軟性がなくなります。(ブレーキ液は、ほぼ透明→茶色→粉末状の物体に変化します。)
そうすると、ピストンが出る時に一緒にダストシールが引っ張られてピストンとキャリパーの間から出てきてしまいます。
こうなると要修理になります。。。
隙間からゴミや水が入ってオイルシールを痛めてブレーキ液が漏れますし、キャリパーとピストンの間にシールが引っ掛かっているので、ピストンの動きが極端に悪くなります。
ピストンが戻らない=ブレーキがかかったまま=ブレーキのひきずりということになります。
車重以上に押し引きで重く感じる時はひきずりの可能性が高いですね。
で、修理中の風景。
キャリパーをバラしてお掃除。ワコーズのラストリムーバーが効きます♪
(また記事書きますね。)
元の色ってこんなんだったの??っていう位に汚れが落ちます。
ゴールドのキャリパーは新品みたくなりますよー。
ピストンが入る穴です。
溝が2本入っていて、ダストシール・オイルシールが入ります。
この溝にブレーキ液のなれの果ての粉がこびりつきます。
溝をキレイにするとこうなります。奥まったところなので、キレイにするのに苦労します…。
そしてピストンです。
ブレーキダストで黒くなっていて、錆びてピンホールの痕にもなっていたりします。
あまりヒドいと要交換です。
これで新品を組みとバッチリ♪になります。
ブレーキパッド交換の時に、パッドだけを交換するのではなく、汚れを落としてグリスを塗る所には塗って、ピストンを押しこんでは出してを繰り返すこと(もみ出しなんて言ったりします。)をすると、ピストンの動きがいい状態を保てます。
6ポッドみたくピストンの数が多いキャリパーはもみ出しをすると、ブレーキのタッチが良くなるだけでなく、かける・離すの節度が出る感じになるので、ブレーキをかけるのが楽しくなりますよ♪
押し引きで軽く感じたりタイヤを回してずっと回るような状態は気持ちいいですよ~。
今日、書かないと三日坊主になるので・・・。
というのは置いといて。(爆)
オートバイの冬眠の季節がやってきました。
冬季保管の準備は大丈夫ですか?
冬の間に整備したりカスタムしたり・・・。
時間はいっぱいあるので、ゆっくりじっくり相談しましょう。
整備にしてもカスタムにしても、方向性を決めるって大事です。
どんな風にしたいっていう漠然とした軽い話から方向性は見えてくるのものですよ。
堅苦しく話してる中というより普段の何気ない話の中からもそれはあったりするので、気軽に遊びに来てもらえればと思います。
ノースステーションでは店内保管なので、保管中に自分のオートバイを磨きに来てもらうのも大歓迎です♪
もちろん、まだお預かりできますのでお問い合わせもお気軽にどうぞ☆ミ